家事代行サービスとは、会社と雇用契約が結ばれたスタッフがご自宅を訪問し、洗濯や掃除、買物などの家事を行うサービスです。

かつては「男性は外に働きに出て、女性は専業主婦として家事を行う」という価値観が当たり前のものとされていました。
しかし、女性の社会進出や働き方そのものの変化、また共働きも当たり前になってきた社会環境を背景に、家事代行サービスへの需要が次第に高まってきています。

以下は2018年4月に矢野経済研究所から発表された、2017年までの家事支援サービス市場規模の推移データです。

家事支援サービス市場規模推移
矢野経済研究所のプレスリリースより引用

多くの事業者が参入しており、そのサービス範囲も年々広がっているのが家事支援サービスの現状です。
このページでは、サービス範囲や料金の相場、メリットやデメリットなど、今流行のサービスについて詳しく説明していきます。

家事代行サービスができること(サービス範囲)リスト

いわゆる「家事」と呼ばれることなら概ね対応できるのが家事代行サービスです。
幾つかに種類を分けてリストアップしました。

掃除

  • 掃除機掛け
  • 雑巾がけ
  • クイックルワイパーがけ
  • 食器洗い・片づけ
  • お風呂掃除
  • トイレ掃除
  • キッチン水周り掃除
  • 食器洗い
  • 窓拭き
  • バルコニー清掃
  • 庭掃除

洗濯・クリーニング

  • 洗濯
  • クリーニングの受け渡し
  • アイロンがけ
  • たたみもの
  • 収納
  • ごみの分別
  • ごみ出し
  • 布団干し
  • ベッドメイク
  • 部屋の換気

料理・買い物

  • 料理(作り置き)
  • 買い物(日用品・食料品)

その他

  • 郵便荷物の受け取り
  • 不在中の部屋の換気
  • 庭木・植物の水やり
  • ペットの餌やり(※)
  • ペットの散歩(※)

中でも需要の高い料理の作り置きや買い物代行だけを専門にしたサービスもありますが、基本的には家事代行サービスとは上記の諸々をやってくれるサービスと考えて良いでしょう。
サービスによって出来る/出来ない項目があるので、申し込む前に何をやってくれるのかを良く確認しておく必要があります。
(※)特にペットの餌やりや散歩はペットシッターの範囲なので、どこでも受けてくれるとは限りません。

専門的な知識や経験が必要なものは家事代行のサービス範囲外

このように多くのことを代行してくれる家事代行サービスですが、中には対応が難しい項目もあります。
具体的には、以下のような専門的な知識や経験、もしくは資格が必要になるものです。

  • 専門の器具や洗剤を使った本格的なクリーニング
  • 介護・介助
  • 乳幼児の世話
  • ペットの躾
  • 家庭教師
  • マッサージ(体に触れる行為)

もしも自宅をピカピカに完璧に綺麗にしたいのであれば、ハウスクリーニングというサービスを使うことになります。
また乳幼児の世話であればベビーシッターに頼むことになり、ペットの躾であればペットシッターに頼むことになるでしょう。

よく勘違いされがちですが、家事代行とハウスクリーニングやベビーシッターは別のサービスです。
家事代行の範囲では本格的なクリーニングまでは行えないですし、ベビーシッターの範囲では料理の作り置きや掃除は行なえません。
「家政婦」は意味としては家事代行と近いですが、家政婦は個人と契約・家事代行は会社と契約という違いがあります。

とは言え、最近は家事代行サービスの範囲も広がってきています。
専門性や資格のあるスタッフを雇っている会社であれば、
家事代行+ベビーシッター
家事代行+ペットシッター
家事代行+介護サービス
というような組み合わせのサービスを受けることができるなど、需要の増加に伴い利便性も高まっています。

家事代行サービスの費用相場は1時間あたり3,000円前後

依頼の範囲や家の大きさなどによっても変わりますが、相場としては1時間あたり2,500円から3,500円程度の費用がかかります。
また、サービスの最短利用時間は通常2時間以上であるため、一回の代行価格の相場は5,000円〜7,000円程度です。
(加えて、交通費や鍵預かりを別途1,000円ほど掛かることが多いです)
そのため、週に1回ペースで月に4回利用すると、月に約25,000円から30,000円を支払う必要があります。

また、初めて試してみることができるトライアルプランの場合、2時間の交通費を含めて5,000円程度に設定されている場合が多いです。

多くのサービスはスポットプランと定額プランがある

多くの家事代行サービス会社では、スポットプランと定期契約プランを選ぶことができます。

スポットプランは必要なときだけ都度申し込む、単発での代行サービスです。
急な来客や引越し前など突発的に家事が増えたときの利用だけでなく、定期契約のお試しとしても利用されます。

定期契約プランは、週に○回、月に○回など回数を決めて、毎月定期的に家事を代行してもらうサービスです。
スポットプランよりも割安のため、日常的に家事のことで困っている人の多くはこちらを利用しています。

家事代行サービスの一番のメリットは肉体的・精神的負担の軽減

家事代行サービスを検討しているということは、家事に対する何らかのストレスを抱えていることに他なりません。
お金を払ってその家事を変わりにやってもらうことで、肉体的・精神的負担を軽くすることができます。
利用した人の声を纏めると、

  • 仕事に集中できるようになった
  • プライベートの時間を有意義に使えるようになった
  • 家族喧嘩が減った
  • 自宅が常に清潔に保たれて過ごしやすくなった

などのメリットが挙げられます。

ちなみに、Wikipediaによると、家事とは

掃除、洗濯、炊事などの、家庭における日常生活の運営のための業務のこと。

と定義されています。
「日常生活の運営のための業務」というと大げさに聞こえますが、それだけ日々を生きるために大事な事柄であり、ストレスの源にもなりやすいのです。

家事代行サービスの3つのデメリット

若干主観も入りますが、私が思う家事代行サービスのデメリットと言える部分は以下の3つです。

  • お金がかかる
  • スタッフとの相性がある
  • 指示が雑だと満足しない結果になる可能性がある

お金がかかる

当たり前ですが、サービスを受ける以上対価(お金)を払う必要があります。
上で相場が1時間3,000円前後とお伝えしましたが、これを高く感じるか安く感じるかは受け取る人次第でしょう。
私が「これだけやってくれてこの価格は安い!」と主張しても、すぐに納得できる人はあまり多くないと思います。

なるべく安く抑える方法としては、自分にとって不必要な代行サービスは削ることです。
掃除なのか食事なのか、はたまた赤ちゃんの世話なのか…
自分が今負担に感じている家事は何かを考えて、サービスとプランを選ぶことをおすすめします。

スタッフとの相性がある

これ、実はかなり大事です。直接あまり顔を合わせないとはいえ、代行するスタッフも人間です。
「これだけやれば十分だろう」の基準が違ったり、指示した内容が上手く伝わらなかったりなど、相性はどうしてもあります。

「この人なら安心できる」というスタッフに出会えたら、なるべくその人を指名したり、逆に合わないスタッフがいたらその旨を業者に正直に伝えるようにしましょう。

指示が雑だと満足しない結果になる可能性がある

苦手な食べ物を伝えなかったり、触らないで欲しい家具を伝えなかったり、絶対に掃除して欲しい箇所を伝えなかったり…
家事代行サービスにまつわるトラブルの多くは事前の指示で解決するものです。

特にサービスを利用し始めた最初のうちは、勝手を分かってもらうためにも細かめに指示や注意点を伝えたほうがスタッフもやりやすくなります。